こんにちは!しんろっくです。今回はEDMなどの曲でよく聴くピッチアップサウンドの作り方です。
なんか曲が物足りないな。もっとエネルギーや驚きを加えたいな。と思ったことはありませんか?ピッチアップサウンドは、まるで魔法のようなテクニックで音楽にインパクトを与えます。今回は、初心者でも簡単に取り入れられるピッチアップサウンドの作成方法をCubase付属音源シンセのRetrologueを使って解説します。
それではいってみましょう!
聴きづらいんですけど・・・ピッチアップサウンドってなーに?
ピッチアップとは音の高さを上げることだ!曲にエネルギーや緊張感を与えることができるんだ!
ピッチアップとは?
まず、ピッチアップとは何かを簡単に説明します。ピッチとは音の高さのことです。ピッチアップは、その音の高さを上げることを指します。これにより、音がより高く、場合によっては速く聞こえるようになります。特にエレクトロニカやポップス、映画音楽などでよく使われる手法です。
作成方法
①はじめにRetrologueを立ち上げて好きな音程のピアノノールを打ち込みます
②下画像Retrologueの右上PICHBENDのDOWN-48、UPを+28にします
➂下画像ベロシティーのところをクリックしてピッチベンドを選択します
④左下と右上にポイントを書き込みます。
⑤すると下の中間に点が設定されます。その点をドラッグしてオートメーションを書いていきます。ピッチを一定に上げるだけでなく、曲の中で徐々にピッチを上げる効果を作りたい場合は、オートメーションを使います。オートメーションを設定することで、時間の経過とともにピッチが変化し、よりダイナミックな効果を演出できます。
低い音から高い音に変化していくこんなサウンドに仕上がりました。
⑥この後エフェクトをかけていきます。左下赤枠を指定します。ピッチアップした音源にリバーブやディレイなどのエフェクトを追加することで、サウンドにさらに深みや広がりを持たせることができます。これにより、音が曲全体にうまく溶け込みます。今回はCubase付属のディレイを使います。
⑦DelayからPingPongDelayを選択します。
⑧真ん中の大きいボタンを1/8にします。
できました!再生してみましょう。
このPingPongDelayは深い響きで音色を彩ってくれます。いろんなエフェクトを試してみてかっこいいサウンドを作ってください。以上がピッチアップサウンドの作成方法でした。
わぁ~これだけでテンション爆上がりだね!
おお!心躍り体が動き出すぜー!!
こちらではシンプルなライザーサウンドの作り方を解説しています。ぜひご覧ください。
ピッチアップサウンドの起源、進化、そして現代の音楽での使われ方
1. ピッチアップサウンドの起源
ピッチアップサウンドの技術的な起源は音楽や音声の速度を上げると自然に音の高さ(ピッチ)が上がる現象にあります。これはアナログ時代にテープレコーダーの再生速度を上げることで実現できました。テープを速く再生すると音は速く、そして高く聞こえるようになります。これがピッチアップサウンドの起源になります。
2. テクノロジーの進化とデジタル時代
デジタル音楽制作が普及するにつれて、ピッチアップサウンドはより精密にコントロールできるようになりました。初期のデジタルオーディオワークステーション(DAW)やサンプラーは、サウンドのピッチを変えるために再生速度を変更する方法を採用していました。しかし、これは音の長さにも影響を与えサウンド全体が速く(または遅く)なるという副作用がありました。
その後、デジタルシグナルプロセッシング(DSP)の進化により、再生速度を変えずにピッチだけを変更する技術が登場しました。これにより、音楽プロデューサーやエンジニアは、元の音源のタイミングを保持しながら、音の高さを自由に調整できるようになりました。
3. ピッチアップサウンドの音楽での利用
ピッチアップサウンドは、さまざまな音楽ジャンルで活用されています。その利用法は多岐にわたりますが、特に以下の分野で顕著です。
- エレクトロニカとダンスミュージック: ピッチアップされたボーカルやサンプルは、エレクトロニカやハウス、トランスなどのダンスミュージックでよく使われます。これにより、エネルギッシュで非現実的なサウンドが生まれます。クラブミュージックでは、テンポを上げたリミックスなどでもピッチアップがよく使われます。
- ヒップホップとサンプリング: ヒップホップでは、特に90年代のプロデューサーがピッチアップサウンドを多用しました。サンプリングしたソウルやジャズのレコードをピッチアップして、独自のビートを作り上げる手法が一般的でした。これにより、原曲とは異なる雰囲気を持つトラックが作り出されました。
- ポップスとボーカルエフェクト: 現代のポップスでは、ボーカルの一部をピッチアップすることで、独特の効果を生み出すことがあります。ピッチアップされたボーカルは、より軽やかで遊び心のある印象を与えるため、ポップな楽曲に多用されます。
- 映画音楽と効果音: 映画やテレビの音楽制作では、緊張感を高めたり、ファンタジーや夢のような雰囲気を作り出すためにピッチアップサウンドが使われます。効果音としても、ピッチアップすることでコミカルな表現や異世界感を演出することができます。
こんな使い方はいかがでしょうか。私の曲ですがはじめの10秒でピッチアップサウンドを使っています。曲のイメージとピッチアップがとてもマッチしたので曲全体を通してところどころにピッチアップをちりばめております。
4. 文化的影響と現代のピッチアップサウンド
ピッチアップサウンドは、音楽の歴史においてさまざまな文化的影響を受けてきました。例えば、アルヴィンとチップマンクスなどのアニメキャラクターの高音ボイスは、テープの速度を上げて作られたもので、これがポップカルチャーに大きな影響を与えました。また、アーティストたちはピッチアップサウンドを使って、楽曲にユニークな個性を与えることができます。
現代の音楽制作では、ピッチアップサウンドは非常に身近なツールとなり、プロデューサーやミュージシャンにとって欠かせないものとなっています。高度なピッチシフティング技術により、クリエイターたちは従来の方法では実現できなかった斬新なサウンドを生み出しています。
テクノロジーの進化とともにその使い方も多様化し、音楽制作における重要なツールとして発展してきました。
まとめ
ピッチアップサウンドは、曲に新しい雰囲気やエネルギーを加えるための強力なツールです。初めての方でも、今回の手順を参考にすれば、簡単にピッチアップサウンドを作成できます。いろいろ試して、自分の音楽に最適なピッチアップを見つけてみてください!
この参考動画もとてもわかりやすくなっていますのでぜひご視聴ください。(15分15秒くらいからです)